MAVIC(マビック)が破産/倒産?理由・原因はなぜ?自転車ホイール大手

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自粛のゴルデンウィークが終わり、驚きのニュースが飛び込んできた。その報せは、自転車に乗る人なら誰もが知っている『黄色い会社』が破産するというのだ。

Mavicの象徴的な黄色い車の無いツールドフランスを想像できるだろうか?同ブランドは、40年にわたってレースの中立的なサービスを提供してきた。

今回の件に関して言えば、事実MAVICは現在倒産状態にあるが、Twitter等で先行して宣伝されたような単純な「破産」ではなく、MAVICの現在の状態は非常に複雑なものになっている。一体マビックで何が起きたのか、見てみよう。

MAVIC(マビック)が破産?

昨年12月、フランスアルプスのアヌシーに拠点を置くMAVIC(マビックまたはマヴィック)は、フランスの破産法の下で、問題のあるビジネスとその債権者との間の合意に到達しようとする、「調停」と呼ばれるプロセスに入った。

米国を拠点とする貿易ウェブサイトである自転車小売業者および業界ニュースによると今年2月、同社の経営権利は、苦労するビジネスの転換を専門とするフランスの会社 By Savingに手渡されていた。

しかしつい先日のニュースで明らかになったのは、その後同社が「救済延長」と呼ばれるプロセスに突入したこと。このプロセスで裁判所は、経営陣と協力して債務者へのリターンを最大化しようとする受入先を指名することとなる。

Mavicの場合、このプロセスのために6か月の期間が与えられている。これは、失敗した企業を救済するために利用できる最後のプロセスであり、最終的にビジネスの購入者が見つからない場合は、保有している資産はすべて清算されるということだ。

MAVIC(マビック)が困難に陥った理由はなぜ?

1889年に設立された老舗ブランドであるMAVICは2005年、フィンランドを拠点とする会社、Amer Sportsに買収された。この会社の他のビジネスとして、ウィンタースポーツブランドとして有名なAtomicや、登山ギアを手掛けるSalomonなどが含まれる。

その他にもカーボンパーツブランドEnve等を所有している同社は、2018年に行われた戦略的見直しを受け、MAVICブランドを売却する決定をした。

サイクリストに欠かせないブランドのはずが…

昨年3月には、ロサンゼルスに本拠を置く未公開株式会社、リージェントLPに事業を売却することで合意に達したことが発表され、その後昨年7月に取引の完了が確認された。

ほんの少し前まで、Mavic独特の黒地に黄色いマークのロゴはサイクリストにとって欠かせないものだった。高品質なアルミリム、ディスクホイールなどの技術を開拓してきた同ブランドは長い歴史の中で常に主要なプレーヤーだった。

あなたが乗っている自転車がマウンテンバイクでも、ロードバイクであろうと、完成車を買った時にマビックのホイールが付属してくる可能性はかなり高い。その後バイクのグレードアップのためにホイールを交換する際にも、そのブランドはおそらくあなたの選択肢の筆頭であっただろう。

では、Mavicはどのように変わってしまったのか?

他ブランドの台頭で競争激化

その答えの主なものは、Mavicの中心事業であるホイール業界において競争が激化したことが挙げられる。近年、多くの自転車ブランドが、自社のサブブランドとして独自のホイールブランドを所有することが一般的となった。

代表的なものは、SPECIALIZEDのROVAL(ロバール)、TREKのBontrager(ボントレガー)などだ。他にもCannondaleのHollowGram(ホログラム)やGIANTのCADEX(カデックス)など、続々とサブブランドが誕生し、安価で高品質なホイールをグループ内で供給するようになった。

運営会社はMAVICブランドを重要なブランドと見なしていなかった

昨年までMAVICブランドを所有していたAmer Sportsは、2018年に戦略的見直しを発表する以前においても、同ブランドを主要なブランドの1つと見なしておらず、この事業への投資が減少していた。その代わりに、グループ内の他のブランドの開発に資金が支払われていたという。

流通の方法(売り方)に変化があった

2016年のEurobikeのMavic出展/IMBIKEMAG.COM

また、MAVIC製品の販売や流通の方法にも変化があった。販売方式は国によって違いがあるが、少なくともイギリスなどの地域では大きな変化があり、MAVICは卸売業者や販売代理店との連携をやめ、代わりにディーラーと直接取引する方式へ転換した。

この変化によって、このブランドが消費者にとっても、流通業者にとっても「見えにくく」なったという。例えば、自転車業界を代表する見本市、EurobikeにおけるMavicのブースは年々縮小傾向だった。

MAVIC(マビック)の今後はどうなる?

Mavicは、引き続きツールドフランスで中立的なサービスを提供する可能性があるが、現在スポンサーしているのは1つのワールドツアーチーム、AG2R-La Mondialeのみ。エリートダウンヒルマウンテンバイク選手の多くは今なおMavicブランドを重用しているが、他の分野においては徐々に存在感を失ってきている。

2015年の年間1億3,000万ユーロから昨年の7000万ユーロに至るまで、同ブランドの売上は遊園地のフリーフォールアトラクション状態とも言える。2019年の売上高は7000万ユーロで、事業の純損失は1280万ユーロだった。

昨年のマヴィックの売却時に、前社長のゲイリーブライアントは、同ブランドの「明るい未来」を予測していた。背景として、ブランドの所有権の変更により戦略を再集中し、推進できるようになることを挙げた。

また、ブランドの今後について、「今後3年間、取引プロセスと交渉の合意の一環として、開発、供給、または財務の問題に関する日々のビジネスに関して厳密な変更はありません。」と述べている。

現在の同ブランドの経営権所有者については様々な情報が飛び交っており、このあと実際にどうなるのかを予測することは困難だ。少なくとも、長い歴史を持つこのブランドが静かに息を引き取ることはまずないと思われる。ブランドの受け渡しがうまく完了し、新たな優秀な経営者がMAVICを再興させることを願うばかりだ。


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