元整備士が教える|持っておきたいロードバイク用携帯工具ベスト10

メンテナンス

ロードバイクの人気が高くなっています。スポーツタイプの自転車を取り扱っているショップや、ロード専門店なども見かけるようになりました。

しかし、ロードバイクは旅行先でトラブルが発生した際に、どこの自転車店でも対応できるとは限りません。町の自転車屋さんでは、フレンチバルブに対応したエアーポンプすら用意がないケースもあるほどです。

この記事では、ロードバイクを楽しむ上で持っておきたい携帯工具ベスト10を元整備士の視点からご紹介しつつ、具体的な使い方をご説明していきます。

ロードバイク用携帯工具を選ぶ上でのポイント3点

ロードバイクのタイヤに空気入れで空気を淹れている画像

ロードバイク用携帯工具は、実際に持ち運んでみないことには使いやすさを実感できません。そのため、購入時にかなり慎重に選んだとしても、ツーリング中に不便さが目立ってしまうものがとても多くなってしまうのです。

購入を失敗に終わらせないためにも、事前に選び方を知っておきましょう

重さ

携帯工具の重さは、ロード乗りにとって非常にシビアなチェックポイントになります。自分の体が原動力となるため、重いものを担いでのロングツーリングはとても辛く、使用時にも使い勝手が悪くなってしまいます。しかし、耐久性においては重いものの方が圧倒的に有利です。携帯用というよりも、ガレージツールとして使用するのに向きます。

軽いものは耐久性が低く、1〜数回の使用で壊れてしまうこともあります。その分携帯には有利で、たった5gの重量さでも疲れ方が変わってきます。突き詰めると、0.1g刻みで比較するようなツーリストもいます。

素材

携帯工具の素材は重さや耐久性にも直結してくるため、用途に合わせて選び分けるようにしましょう。

例えば、エアーポンプのように比較的使用頻度が多くなるものは「軽く・耐久性もある素材」で作られたものを選びたいです。

そこまで使用頻度は多くないものの、耐久性が求められるスポークレンチなどはサイズ変化しづらいしっかりとした素材を選びたいです。

携帯工具に使われる素材には「プラスチック・鉄・アルミ・カーボン」など、金属や樹脂でできているものがほとんどで、使用時に作業効率が良いものを選ぶのが重要です。

メーカー

携帯工具を作っているメーカーは複数あり、当然コストにも特徴が現れてきます。有名ブランドのものは高額で販売されていますが、ノーブランドや100均工具でも手に入る安価なものもあります。

安価なものは、基本的に使い捨て工具に分類でき、壊れてしまったら新しいものに買い替えるのが一般的です。一方、高価な携帯工具の場合「保証期間」が設定されている場合があり、5〜20年間は新品購入時と同じ性能を維持できるとしているメーカーがあるのです。

一部、海外有名ブランドの工具は、購入後永年保証を設定しているものもあります。

一時のコストパフォーマンスと、長期間を見据えたコストパフォーマンスのどちらを選ぶかは、ツーリストの考え方次第になります。

持っておきたいロードバイク用携帯工具ベスト10

10個のレンチが並んでいる画像

安全なツーリングのためにも、元整備士がおすすめする「持っておきたい携帯工具ベスト10」をご紹介します。

パナレーサー 携帯ワンタッチポンプ BMP-23AEZ 2,780円

エアーゲージ一体式のポンプもありますが、ゲージ部分が破損してしまうとエアー漏れを起こしてしまう商品が多いため、ポンプとゲージは別で持つことをおすすめします。

自宅で使う際は、ストロークも大きくしっかりとゲージを確認しながら充填できるタイプが便利です。

パナレーサー 仏式バルブ専用タイヤゲージBTG-F

エアーゲージ一体式のポンプもありますが、ゲージ部分が破損してしまうとエアー漏れを起こしてしまう商品が多いため、ポンプとゲージは別で持つことをおすすめします。

自宅で使う際は、ストロークも大きくしっかりとゲージを確認しながら充填できるタイプが便利です。

フレンチバルブとアメリカバルブの両方が使えるタイプのゲージではなく、フレンチバルブ専用をおすすめするのは、ロードバイクがフレンチバルブを主としているからです。少しでも機密性を高く確実な空気圧を測るには、専用工具が一番です。

高めに充填してしまった場合も、リリースバルブを断続的に押すだけで調節できる優れもの。

TOPEAK(トピーク) Mini 9 2,080円

ロードバイクの締め込みに必要なアーレンキー(六角レンチ)やドライバーがひとまとめになっている便利なツールです。

重さも92gと軽量でありながら、厚みのあるアルミボディと合金性の工具部分は破損しづらく、ネジ頭を滑らせづらいフィット感を発揮してくれます。

サドルバッグに入れておけば、いざという時に取り出しやすく、持ち忘れも防止できます。

サドル周辺に重さが出てしまいますが、踏力にはあまり影響しません。

段差などでバッグの中で暴れてしまい、ポストが傷つくことを心配するのであれば、予備のサイクルグローブなどを一緒に入れておくだけで問題解決できます。

プロ(PRO) ミニツール ファンクション 3,740円

用意されている工具の種類が選べますが、ロードバイクであれば15種類の設定がベストです。こちらは「PRO」というメーカーの商品になり、シマノの工具としても紹介されています。

ドライバーなどに長さが欲しいという方にはこちらがおすすめです。ボディがプラスチック製なので、劣化しやすいのがデメリットになります。しかし、かなりのトルクをかけても壊れる様子はなく、プラスチックの劣化が始まるまでは十分使用できるツールです。

チェーンカッターやスポークレンチといった、自転車には絶対に必要となるツールがついているため、重量は124とやや重め。

全てを一つにまとめてしまいたいという場合にはこちらがおすすめです。

ホーザン(HOZAN) ニップルレンチ #10/12/13/14/15 C-120

昔ながらの6方向ニップルレンチです。1サイズのニップルレンチが人気ですが、実際にスポークの交換をする際に明らかに作業効率が変わります

この円形のニップルレンチであれば、一度セットしたらそのままくるくると回してしめこめるのに対し、1サイズのみのおしゃれなニップルレンチは、1回転ごとにいちいちセットし直さなければならない煩わしさがあるのです。

同じような商品で20gほどの軽い商品もありますが、ホーザンのニップルレンチは50g。この30gの重量差は素材の固さに影響しており、ホーザンのニップルレンチは変形も噛み込みもしない優れものです。軽いニップルレンチはほとんどがアルミ製となり、ニップルが噛み込んでしまいニップル・工具ともに破損する可能性が出てきます。

Dilwe タイヤレバー 3pcs 炭素鋼製 1,179円

タイヤレバーは2種類持つことをおすすめします。この炭素鋼製タイヤレバーは、確実にリムを起こしてくれるので、1本あるだけで作業が簡単になります。ただし、1本が70gもあるため、3本全てをこの商品で持ってしまうと重くなってしまうのでご注意を。

パナレーサー タイヤレバー 3本セット PTL 478円

もう1種類のタイヤレバーがこちらです。通常のプラスチック製のタイヤレバーは、レバー間の距離を間違えると簡単に曲がってしまいます。その点、パナレーサーのタイヤレバーは耐摩耗性に優れた、しっかりと硬さがあるプラスチック「ポリオキシメチレン(POM)」で作られているため、安定した作業が可能です。

1本の重量が40gと、前出の炭素鋼製タイヤレバーの約半分。この2種類の組み合わせであれば、ほぼ確実にタイヤ交換やパンク修理にも手間取らずに済みます。

パナレーサー イージーパッチキット RK-EASY 380円

あっという間にパンク修理が完了する最高のパッチがこちら。通常のパンク修理と同様にチューブゴムの表面をサンドペーパーで荒れさせ、パッチ中央に穴がくるように狙いすまして貼り付けましょう。

多少のズレは許容範囲ですが、パッチの端の方に穴がきてしまうとエアー漏れを起こすことがあるのでご注意を。

通常のゴムパッチよりも薄く、ゴム糊を必要としないため手早くパンク修理できます。その分、パッチ接着面が張り付いてしまった場合は使いまわせないため、落ち着いて作業してください。

PARKTOOL(パークツール) ポリリューブ1000 113g PPL-1 902円

自転車メンテナンスに使いやすいチューブ式のグリスです。ツーリング中に誤って落水したり、豪雨に襲われてしまった際にあると便利な逸品です。

回転パーツのほとんどに使用でき、ベアリング周辺に砂埃が入り込んでしまった場合にも、これさえあれば水洗いしてしまい簡易的にグリスアップできます。

同じチューブ式でも、吐出口が平たく指にとって使うタイプのものでは奥まで届かないため、ノズルが細長いこの商品がおすすめです。

トピーク フラッシュスタンド スリム X 5,643円

前後ホイールで保持するタイプの自立型スタンドは、幅も広く携帯するには不便です。

このトピーク フラッシュスタンド スリムXは、片側のクランクで保持できるため携帯にとても便利

ロードバイクを逆さまにして作業するたびに、バーテープやサドルが傷ついてしまうのを防げます。

また、ハンガーがないお店に入る際や、休憩時にも安心して立てておけるので便利です。

まとめ

パンクしたフーブろパンク修理キット

ロードバイクでツーリングする際、ガレージツールを持って動くのは難しいものです。携帯用の便利な工具を持っておくだけで、トラブルが起きることを心配せずにロングツーリングにも出掛けられます。

購入時は見た目の格好良さで手にとってみたものの、実際に使う段階で「失敗した」なんてことのないように、元整備士が実際に使ってみてよかったものをご紹介させていただきました。

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