各メーカーから2021年モデルが続々と発表されるなか、MERIDA(メリダ)からも魅力的なバイクが発表されています。第4世代として刷新されたMERIDA「REACTO(リアクト)」は、空力性能が最適化され、史上最速のエアロロードとなりました。
MERIDAによる発表および海外のインプレッション記事を基に、新型2021モデルのリアクトのスペックや変更点、乗り心地等を調査していきます。
第4世代 – MERIDA REACTO 2021
2011年に初めて発表されたエアロロードバイク「REACTOシリーズ」は、その優れた空気力学、剛性、効果的な動力伝達、正確なハンドリングで知られる人気シリーズです。
2021モデルでは、2018年に登場した第3世代のリアクトから3年ぶりにフレームデザインが刷新され、「第4世代リアクト」となりました。
第4世代リアクトの変更点のトピックは、「空力性能の向上」「ケーブル完全内蔵」そして「軽量化」の3点です。
衝撃的な変化は無いものの、エアロロードバイクとして基本性能が着実に向上しており、ケーブル完全内装によりすっきりとしたモダンな外観になっています。
近年のエアロロードバイクのトレンドとして、空力性能を維持しながら軽量に仕上げることが挙げられます。カーボン素材の進化により、より少ない材料で剛性を維持できるようになり、Aiやコンピュータの進化により、より空力特性の優れた形状でロードバイクが作成できるようになりました。
第4世代のリアクトもその最新技術の恩恵を受けています。流体力学や風洞実験によるデータを活用して空力特性を最適化しつつ、フレーム重量は前作と比べて約85g軽量化に実現しています。
キーワードは「統合」
メリダの製品責任者であるレイナルド・イラガン氏によると、「新しいリアクトのキーワードは『統合』です」と述べています。
可能な限りすべての要素をフレームに統合して一体化を図ることにより、空力性能の最適化と外観の向上を実現しました。
きれいなコックピット
「統合」と聞いて真っ先に思い浮かぶのがハンドル周り(コックピット)です。新しいリアクトの上位モデルではステム一体型のスマートなハンドルが搭載されるほか、下位モデルに搭載されるツーピースのクラシックなハンドルに至っても非常に綺麗な外観です。
完全内部ケーブルルーティング
全てのリアクトは、最も安価なモデルでもフレーム完全内部ケーブルルーティングを実現しています。
ほぼ全ての競合ブランドでは、特定のモデルよりも高価なモデルのみでケーブルを完全内蔵し、安価なバージョンでは提供していないことがほとんどです。
MERIDAのシニアプロダクトマネージャーを務めるベンジャミンディーマ―氏は、「これは、他の多くのブランドに対する私たちの大きな利点です」と述べています。
隠されたシートポストクランプ
新しいリアクトで「統合」されているのはハンドルだけではありません。隠されたシートポストクランプは外観をすっきりさせるだけでなく、乱気流の発生を抑えます。
フレームに統合されたディスクローター冷却システムは、特に長い下り坂でブレーキ過熱のリスクを低減してくれます。また、リジットアクスルも一体型のデザインとなりました。
ダイレクトマウントシフティングハンガー
SHIMANOのドライブトレインを備えたREACTOでもう一つ興味深い変更点がこの「ダイレクトマウントシフティングハンガー」です。
これはホイールの素早い交換をしやすくし、正確なシフティングと故障率の低下を助けます。
MERIDA REACTO 2021のスペック
新しい第4世代のリアクトは、空気力学、快適性、剛性、操作性、重量の優位性において最高レベルを誇ります。詳しいスペックを確認してみます。
重量
メリダによると、新型リアクトのフレーム重量は前作と比べて約85g軽量化しており、フラグシップ完成車は重量7.2kg (54サイズ)と説明しています。
空気力学
メリダによると、空力特性は前モデルと比較して1ワット優れていると主張しています。1ワットの違いはそれほど大きくないと考える人もいるかもしれませんが、既に十分優れていたところからさらなる進化をし続けることに意味があると思います。
メリダの研究開発責任者Reynaldo Illagan氏は、「快適性や動力伝達など、他の多くの点でさらに改善しました」と語りました。
他の多くのブランドは空気力学のみに焦点を当てていますが、新しいリアクトは空気力学だけでなく、快適さと剛性においても優れていると主張しています。そして、彼は新型リアクトが「非常に汎用性の高いエアロレーシングバイクである」と結論づけました。
MERIDA REACTO 2021のラインナップと価格
新しいリアクトは、7種類のSHIMANOコンポーネントと1種類のSRAMコンポーネント完成車で提供されています。また、2020年まで存在していたアルミフレームのリアクトは2021モデルではラインナップから姿を消しました。
ラインナップ
Team-E、9000-E、8000-Eの3モデルはハイグレードの「CF5フレーム」、4000、5000、6000、7000-E、Forceエディションではカーボン素材をややコストダウンした「CF3フレーム」が用いられています。
REACTO 2021の価格
REACTO TEAM-E および 9000-E 税抜1,250,000円
(フレームセット 税抜369,000円)
REACTO 8000-E 税抜850,000円
(フレームセット 税抜369,000円)
REACTO 7000-E 税抜540,000円
REACTO 6000 税抜399,000円
REACTO 4000 税抜299,000円
※当記事で掲載している情報は2020/08/15時点での情報です。詳細情報はメリダ公式サイトにてご確認下さい。
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