Cannondale CAAD13のリリースに引きつづき、2020年モデルのSupeSix Evoが発売された。第三世代となる今期のSupeSixは、これまで重要視されてきた軽量さと高剛性に加え、空力効率への莫大な研究の成果が注ぎ込まれた。この記事では、そんな新型車両の革新的なレビューをお伝えします。
ここれまでのSuperSixが、エアロをまとった全く新しいSuperSixへ
第二世代のSuperSix Evoが軽量で硬い (高剛性な) バイクであることは、議論の余地のない事実でしょう。
しかし、これまでのSuperSix Evoは軽量さと高剛性は申し分ないにしても、風を切ることに関してはかなりひどいものでした。
特に急な山岳コースを除けば、空力効率を上げることは数グラムの軽量化よりも有益であると認められてきました。
新しい第三世代のSuperSix Evoは、ついにエアロ形状を身にまといました。D型のトランケート翼チューブは、これまでの丸型チューブよりも約30%もの抗力を低減しました。
そして最も驚くべきことは、キャノンデールによれば、以前のバージョンと比較して重さを増やさずに、剛性をわずかにアップさせながらこれを行ったのだとか。
データは劇的な性能向上を示している
チューブ形状の他にも、空力向上のためいくつかのストーリーが加えられました。
エアロ形状のKnot27カーボンシートポスト、抗力を減らす小さい三角形のシートステー、薄型の一体型ステム&ハンドルバー、及び完全内蔵型ケーブルルーティングシステムです。
新しいSuperSix Evoは、現行モデルに比べ48.3km/h(30m/h)の走行時に約30Wの必要な力を削減すると言われています。
キャノンデールは、他社のバイクと比べても興味のある結果を提示しています。
同社によると、Trek Emondaのライダーより同じ速度で40ワットの削減、新しいBMC Roadmachineと比較して23ワットの優位性があるとしています。また、興味深いことに優秀な空力マシーンとして知られるCerveloR5より12W、Specialized Tarmacより9W有利としていて、かなり大きなパフォーマンスの差を主張しています。
ただし、この情報には細心の注意を払う必要がありそうです。
キャノンデールの発表データは慎重に受け取ろう
キャノンデールは、カリフォルニア州サンディエゴの低速風洞で、同等のサイズ・同一のShimano Dura-Ace Di 2グループセットを使用して計測しましたが、それぞれのパーツは販売時の異なる仕様でした。
そのため、計測した状態の差:例えばTrek Emondaは28mmハイトのホイールで計測されています。ヘッドパーツ・ハンドル周りのセットアップも大きく異なり、今回の計測で比較されている全てのバイクの中で唯一新型SuperSix Evoのみがエアロハンドルバー&ステムを使用していました。
Cannondaleがそのコンポーネントだけで9.1Wの節約を見積もったことを考えると、フレーム自体の性能アップはそれほど劇的ではないでしょう。この第三世代のSuperSix Evoのフレーム性能は、Tarmac SL6とCervelo R5と同等レベルに落ち着くのではないか、と推察されています。
テスト速度の問題もあります。言うまでもありませんが、毎日48.3km / hで走行している人はほとんどいません。空力抵抗は速度とともに急激に増加するため、節約されるワット数は、現実では大幅に小さくなるでしょう。
キャノンデールは悪い会社ではありません。ですが、同社のマーケティング資料があなたにギャップのある理解を与える可能性があることには注意してくだい。
スムーズな乗り心地とより広いタイヤクリアランス
SuperSix Evoの軽量さとエアロ性能は物語の一部にすぎません。
キャノンデールによると、フラットバックシートポストとシートチューブ、コンフォートなシートステー、一体型ハンドルバーによる乗り心地のが向上が達成されているとのこと。
また、完全にインターナル化された新しいケーブルルーティングは、外観を明らかに以前よりシンプルで綺麗なものにしました。
そしてもう一つの大きな魅力は、最大30mm(公式発表値)のタイヤクリアランスです。30mmのタイヤを装着しても周囲に6mmのクリアランスが残ります。かなり太いタイヤまで受け入れられることは明白で、太いタイヤがトレンドの近頃ではとても嬉しい仕様です。
全てのライダーが同じ経験を得られる8サイズのジオメトリ
新しいSuperSix EVOは、全てのフレームサイズにおいて同じ体験をもたらすための新たなジオメトリーにより構築されています。
これまでの9つのフレームサイズが8つ(44cm~62 cm)に減少し、それによってスタックサイズとリーチが、全サイズにわたって、やや攻撃的で直線的なフォルムとなりました。
また、このジオメトリは先日リリースされた同社のアルミロード、「CAAD13」と共有されており、SuperSix Evoは事実上CAAD13のカーボン仕様となりました。
2020 SuperSix Evoの重量は?
フレーム重量が気になるところ。
まずハイエンドモデルのHi-Mod Discバージョンでは、56cmでフレームが866g。フォークが389g、シートポストは162gとなっています。
標準モデルのSupeSix Evo Discは、以前のモデルとカーボン素材のブレンドにさほど変更はなく、同じ56cmでフレーム999g、・フォーク436g、シートポスト162g。これでもかなり軽量ですね。
新型SuperSix Evoにはしっかりリムブレーキモデルもラインナップ。リムブレーキ支持者には嬉しい知らせだろう。ただし、ハイモッドではディスクモデルのみのラインナップとされている。
リムブレーキモデルは、56cmフレームで976g、フォークが368g、シートポストは同じく162gとなっています。
その他のSuperSix Evoの特徴
SuperSix Evo 2020のモデルラインナップ/色は?
新型SuperSix Evoのモデルラインナップ及びカラーラインナップを紹介。完成車としてはデュラエース・アルテグラ・105のそれぞれディスクとリムブレーキ仕様、Sram Force eTap AXIS、そして、ヘッドパーツとカセットの仕様が変更されたウィメンズモデルがラインナップ。
SuperSix Evo2020の価格は?
最も高価なのは、より高剛性のカーボン素材を使用したフラグシップモデル「Hi-Mod」(ハイモッド)。DuraAce Di2仕様で100万円を僅かに超える価格設定だ。他のメーカーのハイエンド機材と比べると、そこまで高額という印象は受けない。
逆に最安値はShimano 105完成車で約22万円と、フルカーボンの高性能オールラウンダーバイクとしてはかなりお値打ちな価格設定だ。キャノンデールからリリースされているアルミバイクCAAD13も魅力的なバイクで、どちらを選択するか迷うところだ。
また、2021年にはグラベルおよびシクロクロスに最適化されたSupeSixEvo「SE」「CX」モデルも登場している。用途に合わせて検討したいところだ。
Hi-Mod Disc Dura Ace Di2
価格:1,050,000円(税抜)
Hi-Mod Disc Ultegra Di2
価格:795,000円(税抜)
Hi-Mod Disc Dura Ace
価格:720,000円(税抜)
Disc Force eTap AXS
価格:595,000円(税抜)
Disc Ultegra
価格:390,000円(税抜)
Ultegra
価格:280,000円(税抜)
Disc 105
価格:260,000円(税抜)
105
価格:220,000円(税抜)
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