これまでのロードバイク業界では、とにかく軽量であることがレーサー達の主な関心事でした。しかし、近年は「エアロが全て」というように空力的優位性を争うようになりました。
「エアロ」の現代的な流行は、一見、軽量バイクを少し時代遅れのように感じさせるかもしれません。
しかし、実際には、あなたが次のバイクとして軽量なレーシングバイクを検討するべきいくつかの正当な理由がまだ存在します。
軽量化の限界の先に
UCIのロードレースでは、バイクの最低重量制限が6.8kg以上という規定が存在します。この規定が存在する時点で「軽量」という定義の大部分は決まってしまっているのです。
そのため、各バイクメーカーは重量以外の領域での性能改善に尽力せざるを得ない状況にあります。これは当然ながら、自転車業界の問題の1つと言えるでしょう。
近年エアロバイクが台頭しているのもこれが理由のひとつです。エアロバイクは、ハンドリングや乗り心地、フィット感、使いやすさなど、妥協することなく速度を追求する必要があり、これらに重きを置いて開発が行われてきました。
確かにこれらはロードバイクにおいて重要な項目ではありますが、実際にはサイクリングにおいて万能な活躍を見せるのは、軽量なロードバイクであることが多いのが現実です。そして軽量バイクは現在、過小評価されている印象があります。
最近では、これまでエアロバイクのために開発が行われてきた機能が、同じく軽量バイクにも追加され、改善が施されるようになりました。その結果、多くのワールドツアープロチームは空力効率の明らかなペナルティがあるにも関わらず、エアロバイクよりも、軽量のバイクに乗ることを選択しています。
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重要なのは”どこで最速か”ということ
トレーニングのトラッキングサービス「Strava」のセグメントデータによると、フラットで平坦なコースではたしかにエアロバイクの方が速いことを示しています。
しかし、正直に言って、ヒルクライムは未だに重要なセクションです。特にレースシーンにおいて重要なのは、平坦な道路や起伏のある退屈な区間ではなく山岳区間。山岳区間では、軽量バイクの軽量化が、エアロバイクの空力性能の優位性に勝っています。
近年進化が見られる部分のひとつとしては、軽量なクライミングバイクにもディスクブレーキが搭載されるようになったことです。
軽量バイクでは、重量が増えてしまうという観点から長年リムブレーキが好まれてきました。しかし、今ではリムブレーキとディスクブレーキの重量の差はかなり小さくなりました。
登った後のダウンヒルを考慮すると、ディスクブレーキのパワーと安定感は、僅かに増える重量よりも圧倒的に大きなメリットを提供します。
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軽量なバイクで最も重要なコト
恐らくですが、超軽量なロードバイクを所有することで最も重要なのは、軽量な自転車は重量という体感しやすい数値的特徴があるため、友人や家族に感銘を与える力を依然として持っていることではないでしょうか。
信じられない程高価なエアロバイクを友人に見せた時、彼らが最初にする反応は、それを持ち上げて「かなり重いけど、どれだけお金かけたのさ?」と文句をいうことです。
「いやいや、40kmの平坦なコースを時速50kmで走行した時には、このバイクは同等な軽量バイクよりも45秒速いんだ…」とあなたが説明し出した頃には、彼らは興味を失い、どこかに行ってしまうかもしれません。
軽量なロードバイクは、見るものに明白な違いを提示し、時にはメーカーが発表するデータ上の数秒の違い以上に大きな、心理的なメリットを与えてくれます。
カーボン素材
当然ながら、軽量ロードバイク業界はカーボンファイバーによって支配されています。
カーボンが持つ、ユニークで自由な造形を可能にする特性と、軽くて硬い材質は、丘を登るためのバイクを作るにあたって完璧な材料とされています。
ほぼ唯一の欠点は、これらの軽量フレームとコンポーネントは法外な価格であるということ。
かの偉大なキース・ボントレガー氏が言ったように、「強く、軽く、安い。2つえらんでください。」の状態です。とは言え、UCI規定のレースを視野に入れる場合は、最近では必ずしもハイエンドモデルを購入する必要はなくなりました。
現在購入できるハイエンドの軽量バイクの一部では、UCIの最小重量制限よりも軽いことが多いからです。一部のブランドでは、セカンドグレードのコンポーネント、Shimano ULTEGRAで組んでも6.6kgのベンチマークを達成できます。
かといって、これらの軽量バイクが今後、格段に安くなることは期待しないほうがいいでしょう。
それでは、2021年に購入できる最高の軽量ロードバイクのまとめをお読み下さい。
2021年最高の軽量ロードバイク
BMC Teammachine SLR01ディスク
2019年に他の多くのブランドに影響を与えたと思われる、ツール・ド・フランスで活躍したフレームデザイン
快適性と空力性能を向上させるためにデザインされた「ドロップシートステー」デザインは、2019年以降、多くのブランドのバイク設計でよく見られる必需品となっています。しかし、先進的な自転車設計を目指して活動しているBMCが誇れるのは、2010年モデルのTeammachineで、既にこのデザインをリリースしていたことです。
効率性、快適性、完璧にバランスの取れたハンドリングが特徴で、ワールドチームのDimension Dataのほとんどのライダーに選ばれています。
刷新されたTeammachineは、油圧ディスクブレーキ、フィット感の調整がしやすくメンテナンス性が高いコックピットシステムや、刷新されたインターナルケーブルルーティングなど、さらに進化を遂げています。この自転車を数年後から見ても、時代遅れに感じる部分はほとんど無いでしょう。
唯一本当の欠点としては、これを手に入れるためには非常に深いポケットが必要になることです。
ボードマンSLR 9.8
イギリスでは聞き慣れたメジャーなメーカー。優れた価値のあるロードレース仕様
Boardman SLR 9.8は、同ブランドのフラッグシップモデル。最高級のカーボンファイバーを使用し、堅くて軽量なフレームを実現しています。ドロップシートステーを採用することで、非常に剛性の高いバイクながら、快適性も与えられています。
ボードマンのバイクは、ワールドツアーでは使われておらず、レースでの性能の実証がなされていない部分はありますが、信頼性の高い優れたコンポーネントと組合わされた完成車を入手できます。
これらは、ワールドツアーで活躍するあらゆる有名なバイクに匹敵する性能を持つ自転車ですが、その最大の利点はコストパフォーマンスの高さです。決して安くはありませんが、ほとんどの競合ブランドと比べて、そのコストに対する価値は大きいでしょう。
キャノンデールSuperSix Evo Hi-Modディスク
評価の高いワールドツアー軽量バイクがエアロを纏って先進的なアップデート
キャノンデールのスーパーシックスは、これまでも軽量で非常に高い剛性を持つ、ヒルクライムに最適なバイクの1つとして評価されてきましたが、空力的にはお世辞にも評価できるものではありませんでした。
SuperSix Evo 2020では、先端が切り取られたような形状のD型チューブ、洗練された一体型コックピット及び空力設計されたホイールが搭載され、完全な新設計の軽量でシャープなバイクとなりました。
ドロップされたシートステーは快適さを高め、油圧ディスクブレーキはブレーキコントロールとタイヤクリアランスを改善します。従来の純粋な軽量バイクとしてのスーパーシックスの重量をやや上回っていますが、よほど急勾配のクライミング以外では、新型の空力性能が重量の僅かなデメリットを相殺するかもしれません。
唯一残念な点は、Power2Maxの一体型パワーメーターが別料金であるということです。市場で最高のパワーメーターが内蔵されるというのは素晴らしいことですが、それを活用するために追加で490ドル(約5万4千円)を支払わなければならないのは少し億劫です。
Cervelo R5 Red eTap AXS
クラシックなルックスの裏にハイパフォーマンスな可能性が隠された、妥協のないクライミングバイク
元ジロ・デ・イタリアチャンピオンのトム・デュムランが選んだ自転車、Cervelo R5は、まさに羊の皮を被ったオオカミです。従来型のフレーム形状の名残でしょうか、クラシックな見た目とは裏腹に、CerveloのSquoval™Maxエアロダイナミクスチューブによって構築され、驚異的な高剛性と軽量さ共存しています。
30mmのタイヤクリアランスがあるため、悪路でのグリップと快適性のためにより多くのエアボリュームが必要な場合も対応できます。
Cervelo独自のカーボンステムとハンドルバーを装備しており、ここにも空力的特性は見られますが、同社のS5シリーズのような完全一体型にはなっていません。
これは、わずかながら空力的ペナルティを負うことを意味します。しかしその分、ステム長またはハンドル幅を個人に合わせて容易に調整することが可能です。完全に一体型のコックピットでは、こうはいきませんからね。
Specialized S-Works Tarmac Disc
多くのグランドツアーで活躍する大人気のクライミングバイク、空力性能、快適性に加えディスクブレーキの恩恵も
大人気のSPECIALIZEDターマックの最新モデルは、私たちの期待以上の素晴らしい効率と操作性をもたらしてくれます。これまで以上に高速なバイクです。
SPECIALIZEDの独自空洞実験「ウィントンネル」での研究の時間は、シートステーのドロップ化とチューブ形状の再設計を促しました。新しいターマックは、油圧ディスクを追加しながら、以前のヴェンジと同等の空力性能を発揮します。
非常に高価な買い物ですが、あなたは間違いなく、金額以上の多くを得られるでしょう。スペシャライズドは、全てのフレームサイズにおいて同等の性能が発揮されるようフォークサイズやカーボンレイアップを調整しています。これにより、各サイズにおいて非常に優れた乗り心地が維持されています。
Trek Emonda SLR 8ディスク
伝説のクライマー、アルベルトコンタドールと共同で設計されたスーパーバイクは、丘を登るのと同じくらい速く下る
アルベルト・コンタドールがダンシングアタックを解き放つための理想的なバイクとして作られた、純粋なクライミングマシンであるEmondaでしたが、新型では油圧ディスクブレーキと最大30mmのワイドなタイヤクリアランスが追加され、ポテンシャルが大幅に広がりました。
わずか665gと言われている超軽量フレームのおかげで、ボントレガーのミドルレンジホイールを装備した状態でもUCIの最低重量制限をわずかにしか超えません。最高の剛性と軽量化に最適化されているだけでなく、空力効率に優れたチューブ形状も見て取れます。
Wilier Zero SLRディスク
世界で最も古いレーシングバイクブランドの1つによる、完全に現代的な高性能クライミングバイク
輝かしい歴史を持つイタリアンバイクメーカーの多くは、一般的には自転車のデザインの最前線には立っていません。私たちは、イタリアのレーシングバイクのことを、美しくクラシックなものと考える傾向にあります。しかし、少なくともWilierの場合はこれに当てはまることはありません。
Zero SLR Discは、Wilierの最新の軽量バイクです。Centro10 Proエアロバイクからデザインのヒントを得て、全く新しいモダンなクライミングバイクとなりました。エアロフォイルチューブ形状の超軽量なカーボンフレーム、完全に隠された内装ケーブルを備えた一体型ハンドルバー、油圧ディスクブレーキにエアロカーボンホイールに28mmまで対応のクリアランス。これら全てにチェックマークを付ける、最新のデザインを取り込んだ軽量レーシングバイクです。
試行錯誤を繰り返した後に完成されたジオメトリーと、すっきりとしたライン・完全内装型のケーブルとの統合により、見た目も非常に良いものとなりました。かなり高価な自転車であることは否めませんが、Wilierらしいイタリアのクラシックな特徴も感じさせる、非常に美しいバイクです。
コメント
あー、あー、コメントテスト中。こちらのコメント欄からメッセージを送信できますので、ご意見、ご感想、質問、記事リクエスト等お待ちしております〜
Byロード乗りデザイナーSho
なんだか翻訳っぽい雰囲気の文章に感じます。
よく海外サイトで情報収集をすることがありますが、時々面白い言い回しがあって好きなんですよね。
また、一部引用している箇所もあるためそう感じられたかと思います。引き続きINNERTOPを宜しくお願いいたします。