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【徹底解説】ロードバイクのインナートップとは?メリット/デメリット

インナートップ メンテナンス

ロードバイクにおける「インナートップ」とは何だ?

ロードバイクにおける「インナートップ」の意味メリットデメリットについて徹底解説。

ロードバイク業界では様々な専門用語が飛び交う。あなたも、一度はうんざりしたことがあるのではないだろうか。今回は「インナートップ」という状態について、最も分かりやすく、そして詳しく本質を解説する。

インナートップとは何だ?

インナートップ

「インナートップ」とは、フロント変速とリア変速を備えたスポーツバイクにおける、「ギアの状態」の一つだ。フロント(チェーンリング)が「インナーギア」リア(スプロケット)が「トップギア」になっているため、「インナートップ」と呼ばれる。

フロント変速は軽いのがインナー/重いのがアウター、リア変速では、軽いのがロー/重いのがトップだ。つまり、「インナートップ」とはフロントギアは軽い方に入っているのに、リア変速は重くなっているという、ギャップのある状態。

「インナートップ」で言われる噂 3選

「インナートップ」という言葉は、自転車乗りの間でもそんなに頻繁に出てくる言葉ではないが、以下のような「噂」として使われることがある。

①「インナートップって一番軽いギア?」
②「チェーンが斜めになって摩擦が増えて、劣化が進むよ」
③「保管する時はインナートップが良い」

これらの噂の真偽について、結論からいうと①は間違い、②及び③は半分正解で半分間違いと言える。

1,インナートップって一番軽いギア?

インナートップは、一番軽いギア比ではない。

最も軽いのは「インナーロー」

繰り返しになるが、インナートップは、フロントギアは軽い方に入っているのにリア変速は重くなっているというギャップのある状態だ。一番軽いギア比にするためには、リア変速を「ロー」側へ移動させた「インナーロー」というギアセレクトだ。逆に、最も重いギア比になるのが「アウタートップ」だ。

2,チェーンが斜めになって摩擦が増え、劣化が進む?

一般的に考えられていることは、そのとおり。

チェーンのたすき掛け(クロスチェイニング)

ご覧の通り、フロントは内側、リアは外側をチェーンが通過するのが「インナートップ」。この場合、チェーンは斜めになる。いわゆる「たすき掛け」状態だ。

一般的に、チェーンが斜めの状態で漕ぎ続けると、チェーンとチェーンリング、スプロケットとのフリクション(摩擦抵抗)が大きくなり、刃の摩耗を早める可能性があると言われている。

インナートップだけでなく、「アウターロー」の場合も同様。アウターローの場合にはチェーンテンションも高くなるため、インナートップよりもさらにパーツの消耗を早めるとされている。(※諸説あり ※詳しくは後述)

「チェーンのたすき掛けはご法度である」実は嘘?!

これまで長きに渡って「チェーンのたすき掛けはご法度である」との見方がされてきたが、最近では違った考え方も出てきている。自転車レビューサイトCBNの調査によると、各コンポーネントメーカーはチェーンのたすき掛け(クロスチェイニング)に対して以下のように述べている。

  • シマノ:クロスチェイニングには反対であり、推奨しない
  • カンパニョーロ:クロスチェイニングには反対であり、推奨しない
  • SRAM:クロスチェイニングに賛成。メリットが大きいし、言われるような駆動損失も皆無に等しく、コンポーネントの摩耗もない
  • FSA:クロスチェイニングには好意的だが、チェーンの負担はやはり大きくなるものと考えている

このように、シマノとカンパニョーロは「たすき掛け状態はNG」としているが、SRAMやFSAはたすき掛けに賛成している。SRAMのプロダクトマネージャーによると、「一般的に言われているようなロスは皆無だ」と言い切った。

また、クロスチェイニングをあえて行うというプロ選手の話によると、クロスチェイニングによってチェーン落ちのリスクが減る、というメリットを挙げている。

SRAMはフロントシングルのコンポーネントを積極的に売り出していることから、クロスチェイニングに対して意見のバイアスが掛かっていることは否めないが、それでもチェーンのたすき掛けを一様に「悪」と決めつけるのは時代遅れかもしれない。

チェーンの「たすき掛け」について言えること

  • 一般的には、これはチェーンとコンポーネントとの摩擦抵抗を増やし、パーツの摩耗を促進すると考えられている。
  • シマノやカンパニョーロは、たすき掛けは良くないとの見方を示しており、推奨していない。
  • SRAMやその他の一部メーカーは、言われているようなデメリットは無いだろうと考えており、チェーンのたすき掛け状態を肯定している。
  • レース中ではあえてクロスチェイニングを使用することでチェーン落ちのリスクを回避するなどのメリットもある。

近年の電動コンポではインナートップにできない

シマノの「DI2」のような電動変速コンポーネントの場合、インナートップやアウターローなどの極端なギア比になる前に自動でフロントギアを調整する機能が備わっている。あえて設定をしなければ、基本的に極端なクロスチェイニングになることはない。

保管時はインナートップが良い?

これも、一般的に言われていることはそのとおり。

チェーン伸びを防ぐ

インナートップは、チェーンテンションが最も低い状態だ。チェーンテンションが低い状態で保管すると、チェーンの伸びを防ぐことができるのではないか、という考え方がある。しかし、これについては反対意見が多いようだ。

走行中のトルクに比べると微々たる差

自転車を漕ぐ際には、チェーンやスプロケット・チェーンリングに非常に大きなトルクがかかる。それと比較して、リアディレイラーが引っ張るバネの力はたかが知れているため、ほとんど差はないだろう、という意見が大半を占めている。

ケーブル伸びを防ぐ

アウターローの状態は、変速用ケーブルにかなりのテンションが掛かっている。逆に、インナートップでは、フロントディレイラー及びリアディレイラーを引っ張るケーブルの張り(ケーブルテンション)が最も低い状態になるため、ケーブル伸びを防ぐ効果があると言われている。

ディレイラーのバネを傷めにくい?

フロントディレイラー/リアディレイラーには、変速機をそれぞれ「アウター/ロー」に引き戻す力がかかるバネが組み込まれている。インナートップの状態だとこのバネがほとんど開放された状態になるため、前後ディレイラーのバネの劣化を防ぐ効果があると言われている。

まとめ:インナートップについて言えること

インナートップは、一般的には「ご法度なギアセレクト」「なるべくやらない方が良い」と考えられている。しかし、インナートップなどのクロスチェイニングを肯定しているコンポーネントメーカーもある。(SRAMなど)

一部のうるさい”経験豊富な”ライダーは、お構いなしに「インナートップ」や「アウターロー」を否定的に叩くかもしれない。そのため、現状では基本的にインナートップの状態で走行することは避けた方が無難だ。

「保管時はインナートップ」という考え方にはかなり賛同者が多いが、数値的に証明されている訳ではないのが実情だ。結論としては、保管時のギアセレクトに注意を取られるよりは、その分しっかりとチェーンを清掃し、潤滑させる方がよほど生産的ではないだろうか。

そんな「インナートップ」をサイト名に据えた当サイトでは、「自転車乗りの価値をアップデートする」という理念のもと、これからも情報発信を行っていく。

この記事を書いた人
ロード乗りデザイナーSho[ショウ]

自転車大好きなデザイナーで、自転車情報INNERTOPの運営者。平日の昼から千葉県内をロードバイクで爆走していることで知られる。

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