シマノが世界に誇るロードバイク向けペダリングシステム、SPD-SL。幅広い踏面による踏み込みの安心感・高品質なワイド配置設計のベアリングによるなめらかな回転や安心のシマノ品質が高く評価されています。
SPD-SLペダルには複数の種類がラインナップされており、高剛性・固定力が高く軽量な「PDR-9100(デュラエースグレード)」をフラッグシップとして、アルテグラ、105、ティアグラモデルが存在し、初級者向けに脱着が簡単な「ライトアクション」モデルもラインナップされています。
これだけの種類があって違いも分かりにくいため、どのモデルを選ぶべきか迷うところかと思います。この記事は、そんなあなたに向けたSPD-SLペダル選びのガイドです。
SPD-SLのラインナップ
まずはSPD-SLペダルのラインナップの全体像を紹介していきます。
DURA-ACE・ULTEGRA(プロフェッショナル)
- 重量と剛性のバランスを最適化
- カーボンコンポジットボディ
- ワイドなペダル踏面により抜群のパワー伝達
- 負荷を均一に分散するワイドベアリングを配置
- ステップイン・アウトのテンション設定をカスタマイズ
- +4mm軸仕様のモデルをラインアップ
105・Tiagra(上級・中級者向け)
- カーボンコンポジットボディ(105)
- コンポジットボディ(Tiagra)
- ワイドなペダル踏面による抜群のパワー伝達
- 耐久性に優れたステンレス製ボディープレートが、 ペダルボディーの曲りや摩耗を軽減
- 剛性を備え、負荷を均一に分散するワイドベアリングを配置
- ステップイン・アウトのテンション調整が可能
SHIMANO・ライトアクション(初級者向け)
- ステップイン・アウトが簡単
- 初心者でも着脱しやすい軽めのテンション設定が可能
- 上位グレードの機能を継承する
- ワイドな踏み面がペダリング力を効率的に伝達
- 受け継がれてきた品質と性能を兼ね備えたシマノデザイン
- 耐久性に優れたステンレス製ボディープレート(PD-RS500)
SPD-SLの各モデルを比較
105以上ではカーボンコンポジットボディを採用し、軽量化と高い剛性を実現しています。Dura-Ace・ULTEGRA・105の3者でスプリング強度以外の大きな性能差はありませんが、重量とデザインに違いがあります。Tiagraグレード以下のモデルとライトアクションは、ビンディングペダル初級者におすすめです。
モデル | 筐体 | 重量 | バネ強度 | 価格 | グレード |
---|---|---|---|---|---|
PD-R9100 | カーボン | 228g | 強 | ¥26,443 | DuraACE |
PD-R8000 | カーボン | 248g | 強 | ¥16,779 | ULTEGRA |
PD-R7000 | カーボン | 265g | 中 | ¥12,946 | 105 |
PD-R550 | コンポジット | 310g | 中 | ¥7,979 | Tiagra |
PD-RS500 | コンポジット | 320g | 中 | ¥5,512 | Shimano |
PD-R540-LA | コンポジット | 330g | 弱 | ¥5,573 | Tiagra |
SPD-SLペダルの重量について
ペダル重量は、最も軽いDura-ACEモデルで228g、最も重いライトアクションでは330gと、100g以上(片側50g程度)の差があります。
ミドルグレードの「105」以上では上位機種と同様にカーボンコンポジットボディとなり、摩耗性と軽量性が大きく向上しています。105とDura-ACEの重量の差はわずか37g(片側17.5g)であり、十円玉2枚分以下の重量差を実感できるかは微妙なところです。
おすすめのグレードの選び方
105、ULTEGRA、Dura-ACEの間の重量差は微々たるものですが、これらの 間には大きな差が存在します。それは、ステップイン/アウトのバネ強度です。全てのモデルにおいてステップイン・アウトの際のバネの硬さを調節することが可能ですが、Dura-ACEとULTEGRAでは最弱設定でもかなり強力で、レース向けです。
レースではクリートをペダルから外す機会が滅多に無く、スプリント時にクリートが外れる心配が少ないため、強力な固定力が望ましいのですが、日常的な街乗りではそうとは限りません。信号待ちで止まる機会が多い場合、あまりにも固定力が高い状態でステップイン・アウトを繰り返すと、主に膝に負担がかかります。
このような観点から、週末レース・エンデューロなど参加する方、ビンディングに慣れてもう少し固定力が欲しい形、プロ選手の方は固定力の高いDura-ACEまたはULTEGRAがおすすめです。逆に、適度な固定力を求めている方は105がおすすめです。
ライトアクションがおすすめの場合は?
ライトアクションモデルは、105やTIAGRAの他モデルと比べて、さらにバネ強度が弱いモデルです。SPD-SLペダルを初心者が使用すると、信号待ち前の減速時にうまくペダルが外れず、そのまま足をつけずに横転してしまう可能性があります。いわゆる「立ちごけ」です。
それを回避するため、軽い足首のひねりで簡単に脱着ができるようになっているのが「ライトアクション」です。ビンディングペダルの入門用として、マウンテンバイク用SPDからのステップアップとして、また、足首をひねる動作に自身の無い方や膝に不安がある方には、ライトアクションの選択肢は大いにおすすめできます。
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