OPEN CYCLE(オープンサイクル)はまだ巨大なブランドではないかもしれないが、その規模からは想像できないほど大きな影響を業界に与えている。例えば、同社のグラベルロード「UP(アップ)」は、デュアルホイールサイズの互換性やドロップチェーンステーなど、現代のグラベルバイクの共通項をいち早く導入した。今ではどうだろう、それらは業界の標準となっている。
OPEN CYCLE(オープンサイクル)は、2012年に創業をスタートした非常に新しい自転車ブランド。創業者は、サーヴェロの創業者の1人であるジェラルド・ヴルーメン氏、そしてBMCの元CEOであるアンディ・ケスラー氏の2人だ。
言うまでもなく同ブランド所有者の2人はロードバイク市場を変えられるだけの豊富な経験を持っているが、OPENはこれまでオフロード向けのバイクしか生産してこなかった。そして2020年5月、OPEN CYCLEは満を持して同ブランド初のロードバイクを発表した。「MIN.D」( “ミニマルデザイン” と発音する)と名付けられたOPENの最新モデルは、その設計に非常に拘りのあるバイクであることを示唆させる。
このバイクのネーミングである「ミニマルデザイン」とは、必要最低限の機能に絞って設計することでシステムが肥大化することを避け、逆に豊かな価値を提供するようなデザインを表す。そんな「MIN.D」は、ロングライドの快適さを重視した、クラシックでミニマルなデザインの、最新テクノロジーを詰め込んだロードバイクだ。
MIN.D
MIN.Dは、シンプルで直線的なライン、印象的な軽量デザイン、繊細で美しいペイントが施されたディスクブレーキ対応のカーボンフレームを提供している。
ジオメトリーは、同社のスポーティなグラベルバイクからインスピレーションを得ており、リーチは現在市場に出回っている多くのロードバイクより短い。OPENは、機敏なステアリングを提供しながら安定性を両立していると主張している。
OPEN MIN.Dの最も明白な特徴は、統合されたシートポストのそれだろう。OPENは、複雑な構造に頼ることなく、より軽量で乗り心地の良いシートポストを開発した。
このシートチューブの直径はわずか25mmと非常に細く、キャノンデールがかつて前世代のバイク使用していた、快適性を高めるための細いシートポストの直径と非常に似ている。対照的に、ほとんどの最新のバイクは直径27.2 mmないし30mm前後のシートチューブが一般的だ。
シートチューブのトップにはOPEN独自のクランプレールが取り付けられており、最大15mmまでの高さ調整を可能としている。また、高さを15〜35 mmに調整できるクランプも提供している。
印象的な薄さのチェーンステーとシートステーは、しなることでさらなる快適性を提供している。タイヤの前後のスペースは32 mmまでのクリアランスが提供され、さながらグラベルバイクのそれだ。
フラットマウントブレーキマウントは、通常は140 mmローターのフラットマウントが標準的だが、OPENは160mmが適切だと信じているため、アダプターを使用せずに160mmローター用にセットアップされている。軽量化だけでなくその他の細部にこだわりを見せる、同社のエレガントな思想が伺える。
MIN.Dフレームセットは電子式と機械式両方の変速に対応し、1xメカニカル、2xメカニカル(Shimanoのみ)、およびDi2、eTap、EPSドライブトレインが使用可能。
ボトムブラケットシェルは、互換性を重視したBB386EVOを採用。フレーム重量は、カットされていないシートマストを備えた塗装済みMサイズフレームで870g。また、市場で最も軽量なディスクブレーキロードフォークの1つである335g(ノーカット)と組み合わさることで、非常に軽量なビルドで組み上げることが可能だろう。
選択できるフレームサイズはS,M,L,XLの4つで、カラーは、ミッドナイトブルー1色のみ。または、独自にカスタムペイントができるように処理された無塗装バージョンでも入手可能となっている。フレームセットは7月下旬に出荷される予定で、価格はUS$3,600から。
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