自転車業界、とりわけロードバイク業界には様々な専門用語が存在します。自転車に乗っている友人が「ホイールが生えた…!」や、一緒に走行している最中に「ちぎられた…」「俺ヒンキャクだから…」などと言っているのを耳にしたことはありませんか?
この記事では、一般人が不思議に思う「自転車業界・ロードバイク業界の専門用語」を紹介します。
全ての用語の意味がわかるあなたは、すでに「チャリクラ」の仲間入り。もしくは「自転車沼」かもしれません…。さあ、見ていきましょう!
自転車業界の専門用語(五十音順)
では早速、自転車業界の専門用語を五十音順で紹介します。ご要望に応じてどんどん追加していくので、ここに記載が無い専門用語を見つけた場合は是非コメントで教えて下さい!
あ行
アーレンキー
六角レンチ。
足が売り切れる
自転車に乗って走行している際、エネルギー切れや疲労の蓄積により足に力が入らなくなること。休憩や補給食を摂ることで回復が可能。
あと少し
実はゴールまで数キロ先。
漢ギア【おとこギア】
ギア比が重い組み合わせ。最高速度は速くなるが、それなりの脚力が無いとうまく使いこなせない。「男ギア」や「男気ギア」とも。
乙女ギア【おとめギア】
ギア比が軽い組み合わせ。最高速度は遅くなるが、軽い力で漕ぐことができるため、初心者やクライマーに好んで用いられる。
抑える
全力で走るとバテてしまうため、あらかじめ力を抑えながら走行すること。
俺、生きてる!
山岳コース(上り坂)等を走っている時に感じる、なんとも言えない感動や爽快感を言い表す言葉。サイクルロードレースがテーマの漫画/アニメ「弱虫ペダル」にてクライマーである真波山岳が言ったセリフが元ネタ。
か行
ガイツー
海外通販サイト。カイガイツウハンの「ガイツウ」を取って略語として用いられる。自転車パーツ等が格安で買えることで知られ、自転車乗り御用達だ。
帰りは下り基調
登らないとは言ってない。
キャノンボール
東京〜大阪約500kmを24時間以内に走ること。また、東京〜愛知約350kmを24時間以内に走ることを「初心者キャノンボール」ということがある。高級車に乗ったスピード狂たちが腕を競うアメリカ大陸横断5000キロの最大イベントキャノンボールをドラマティックに描くアクション映画「キャノンボール」が由来。
ケイデンス
自転車を漕ぐ際の回転数。一分間で何回クランクを回したかで表示される。単位は rpm。ロードバイクでは一般的に、70~90回転/分 程度のケイデンスが最適とされる。レースでは100rpm以上のケイデンスで回す選手も多い。
軽量化【けいりょうか】
自転車乗りのサガ=自転車のパーツを軽いものに変装することで総重量を軽くすること。これに対して「まず体重を軽量化しろ」と突っ込むのがお約束。また、別の意味として「ちょっと軽量化してくる=トイレに行ってくる」というように使われることも。
剛脚【ごうきゃく】
「豪脚」とも書く。自転車を漕ぐ力や持久力が高いこと。また、その人の脚力。剛脚の人たちの一部は謙遜してか、貧脚と偽ることがある。(詳しくは「貧脚詐欺【ひんきゃくさぎ】参照」)
コンポーネント
自転車を構成するためのフレーム以外のパーツ類の総称。特に、クランクセットやチェーン、スプロケットなどの駆動系を指すことが多い。
さ行
サイコン
サイクルコンピュータの略。ハンドル付近に取り付けて、速度やケイデンスなどを表示する。高価なものでは数万円し、GPSを搭載しマップ表示もできる高性能モデルもある。
自転車沼【じてんしゃぬま】
「ちょっとだけ…」のつもりで自転車を初めたつもりが、気づいたら別のロードバイクを購入していたりと、完全に趣味にハマってしまうこと。特に自転車沼は底が知れない。
巡航【じゅんこう】
一定速度を維持しながら走ること。維持できる適度な速度が求められる。
た行
ダンシング
立ち漕ぎのこと。ロードバイクの上で踊るように体重を左右に移動しながら走るテクニック。急加速したり、ヒルクライムで多く用いられる。
千切れる【ちぎれる】
自転車で複数人で走行している際、前の人達についていけず、置き去りにされること。
チャリクラ
チャリンコクラスターの略語。クラスターとは集団のことであり、チャリクラは自転車乗りたちの集団を指す。また、自転車乗り界隈全体を指すこともある。
DNF【ディーエヌエフ】
Did Not Finishの略語。長距離を走行して認定を受けるサイクリングイベントであるブルベにて、スタートはしたがフィニッシュできないこと。途中棄権。
DNS【ディーエヌエス】
Did Not Startの略語。長距離を走行して認定を受けるサイクリングイベントであるブルベにて、なんらかの理由によりスタートできないこと。参加辞退。
デザート
散々トレーニングしたあとの追加練習。筋肉の強化にとっては、まさにデザートという訳だ。
手信号【てしんごう】
手の動きや指の形によって意思疎通・意思表示のために行う、指示する行為または、その指し示す表示のこと。減速、停止、右折、左折などを後続車に知らせる。
ドラフティング
主にモータースポーツなどのスポーツ用語として用いられる。人の後ろにピッタリと張り付いて走ることで空気抵抗を少なくして走ることができる。【同義語=スリップストリーム】
トレイン
集団で走行する際、皆が一列になって走ること。見た目が電車に似ていることから。
な行
庭【にわ】
ロードバイクで普段走行している行動範囲。使用例:「このあたりは俺の庭」
は行
パナ
パナソニック製のロードバイクのこと。家電メーカーで知られるPanasonicだが、クラシックなクロモリフレームなどを作る人気自転車メーカーだ。
パナチタン
パナソニックが作るチタン合金を用いたフレーム。チタンは錆びが進行しない金属であり、鉄やアルミよりも剛性が高いため、軽くて丈夫な自転車になる。
生える【はえる】
高価なフレームやホイールを買った時の定番の言い訳。「庭からフレームが生えた」というように、高額な支払いをしたことから現実逃避するために使われる。Twitterではよく見る光景。
ハンガーノック
エネルギー切れを起こすことで、体が急に動かなくなる現象。エネルギー消費の激しい運動であるロードバイクでは、30分~1時間おきにエネルギー補給が必要。
引き足【ひきあし】
ペダリング時に足を引き上げるような動作のこと。ビンディングペダルの使用時に可能な動作であり、その目的はあくまで、ペダルが上がってくるのを邪魔しないことであり、引き足でペダルを回すの非効率とされる。
貧脚【ひんきゃく】
貧しい足と書いて貧脚。文字通り、自転車のペダルを回すための筋力や体力が低いこと。(対義語:豪脚【ごうきゃく】)
貧脚詐欺【ひんきゃくさぎ】
自転車玄人に多い。本当は強い脚力を持っているが、謙遜または隠蔽のために貧脚であるかのように振る舞うこと。
ハスる
レース中などで、前を走る選手の後輪と後ろを走る選手の前輪が接触すること。
踏む【ふむ】
ロードバイク等でペダルを漕ぐこと。類語の「回す」と比較して、重いギアを力を入れて漕ぐ場合を指すことが多い。
ブリッヂ
サイクルロードレースにおいて、複数の集団が形成されている時に、後方の集団が前走集団に追いつくこと。
プロトン
レース中に見られる大集団のこと。レース序盤~中盤では大人数で走行することにより、各選手が空気抵抗を負担しあい、エネルギーを節約しながら走行する。
保険金レーシング
事故に会って自転車が破損した際に得た保険金で新たに購入した自転車。またその自転車で走ること。一般的に、デジモンみたいに自転車が超進化することで知られる。
ポジション出し
自転車の乗車姿勢を調節すること。フレームの大きさ、ステムの長さ、ハンドルやサドルを調整して変更が可能。最適なポジションは、乗る人の身長だけでなく、足の長さや自転車の漕ぎ方のクセなどによって変わってくる。
ま行
回して!
複数人で走行中、先頭を交代してほしい時に言う言葉。先頭は風の抵抗が大きいため、ローテーションしながら(入れ替わりながら)走行するのがセオリーだ。
回す
ロードバイク等でペダルを漕ぐこと。類語の「踏む」と比較して、軽いギアで高回転で漕ぐ場合を指すことが多い。
モンスター
清涼飲料水の「モンスターエナジー」のこと。特に中高生の自転車乗りの一部はモンスターエナジーを通貨のようにやりとりする。
や行
ゆるポタ
緩いポタリングの意。目的地を特に定めることなく気分や体調に合わせて周辺をゆっくりと自転車でめぐるタイプの楽しみ方。
ゆるポタ詐欺
ゆるポタ(前項参照)と称して集まりつつも、実際はハードな走行をすること。自転車初級者を地獄に突き落とす行為のため、「これ、ゆるポタ詐欺では無いよね?」というように確認することがある。
ら行
ローディ
ロードバイク乗りのこと。【類語=ロード乗り、サイクリスト】
ローテーション
集団で走行時、空気抵抗の大きい先頭を交代しながら走ること。
わ行
その他
※ここに乗っていない専門用語を見つけた場合、是非この下にある「コメント欄」にてお教えください。
コメント
実際はまだまだ専門用語や俗語があると思います。知っている方は、是非コメントで教えて下さい。随時更新させていただきます。では、他の記事等もよろしくお願いします!
ロード乗りデザイナーSho