
自転車好きなフリーランスデザイナーのShoです。今回は、ヤフー知恵袋で気になった質問を少し掘り下げてみようと思います。ロードバイクについて知識のない方には参考にしながら、自転車好きの方には読み物的に読んでいただければ幸いです。
ネットにある2万円程のロードバイクでもいいですか?
今回、ヤフー知恵袋に寄せられた質問で気になったのがこちらの質問です。
長距離移動やサイクリングをしたいのでロードバイクを買いたいのですが、ネットにある2万円程のものでも大丈夫でしょうか? /参照先

あれは、ロードバイク風のママチャリですので、ロードバイクじゃないよ…
お金が賭けられないのもわかるんだけど、もうちょっとお小遣いをためてみて欲しい。ロードバイクと呼べるもので最安のものだと最低8万円くらいかな。
この記事の最後でおすすめの「最低限のロードバイク」を紹介するので、良かった参考にしてください。
とはいっても!安いし見た目もいいし、そこまでの機能は求めてないよ。レビューも良さそうだし、一回買ってみてもいい?

おすすめはしないけれど、勉強代に2万円を払っても良いなら、どうぞ!
そこまで言う理由は?
…私も以前「ネットで買えるロードバイク風の自転車」を買ったことがあるんです。
ーその時の失敗談をお話ししてみましょう。
私が買ったのは、Amazonで販売されていた「ユーロバイク」という名前のロードバイク風自転車。価格は約3万円でした。
機械式のディスクブレーキが付いていて、見た目はハデハデ。当時の自分には、とても格好良く見えたんだ…。
現在Amazonでは、その自転車は出品がなくなっていたが、似たようなモデルの自転車が販売されている。それがこちらだ。

EUROBIKE(ユーロバイク) XC550-15 700x28C デザイン性の高い異型チューブフレーム Wディスクブレーキで制動力抜群 SHIMANO 3×7 21 SPEED ロードバイク レッド・ブラック (480mm(完成車))
形が少し違うが、ほぼ同じ。メーカーも同じで、私が買ったのは黒×黄色バージョンだった。
ちなみに!現在その自転車は私の家にはない。…なぜなら、購入後しばらく乗り、半年後に壊れ、クズ屋さんに引き取ってもらったからだ。
ロードバイク風自転車を使ってみて感じたこと
確かに、この「ロードバイク風自転車」をはじめて開封した時にはワクワクが止まらなかった。大きなダンボールでAmazonから届いたその箱の中には、若干バラされた自転車が。
意外にも、初心者だった自分でも簡単に組み立てができたことを覚えている。当時、自分でママチャリのパンク修理やブレーキの調整などをいじっていた程度のド素人だ。
組み立ててみると、思っていたよりも見た目は立派で、普通にに格好いいじゃないか…。塗装のムラやパーツの傷などもあったけど、本物の良い自転車、本物のロードバイクを知らない人からしたら分からないと思う、自分がそうだったので。
「よし、乗ってみようかな」
と思い、自転車を持ち上げてみた時…それは薄々感じていたことだったが。
おっも!!!(重)
えっ?ロードバイクって軽いんじゃなかったの?(冷汗)
本当にこんな感想だった。その重さは約16kg。(確かこれくらいだったような…) 通常のママチャリが18~20kg程度と考えると少しは軽いのだが、自転車の大きさが小さい分、余計に重く感じた。
次に出てきた言葉が…
ハンドルとっお!!!(遠)
通常の(本物の)ロードバイクには、非常に細かいサイズ展開が用意されている。シティサイクルでは、選択肢は主に26インチか27インチの2種類しか無いが、ロードバイクでは最低でも4サイズ、多いと8サイズ程展開しているメーカーもある。
そして。例の「ロードバイク風の自転車」のサイズは1つしか無かった。
その自転車を購入した当時は、自転車のサイズなんてそんなに関係ないだろう。と考えていた。しかし、それは真逆の間違った考えだった。
ロードバイクのサイズは、靴選び以上に慎重に選べ!
今、当時の自分に言いたいことは「その自転車を買わずにちゃんとしたロードバイク買え!」ですが、その次の次くらいに言いたいことが「自転車のサイズ」についてです。
サイズの合わない自転車は、その自転車に乗ることをためらわせる程の不快感や苦痛を与える可能性がある。特に、自転車が大きすぎる場合は悲惨なもので。
サイズが明らかに大きくてブカブカの革靴で通勤する姿を想像してみてほしい。靴ずれを起こすし、歩き方も不自然になるし、見た目も不格好だ。
それと似たようなことが起こる。ハンドルが遠くなるため腕が伸び切ってしまい、体勢がきつい。うまくハンドル操作ができない。
サドルがもともと高いので、それ以上伸ばせない。すると、ロードバイクらしい「落差」は生まれず、見た目も非常にずんぐりしたダサめのフォルムになってしまう。
基本的に2万円から3万円で売られているロードバイクに細かいサイズ展開は無く、海外向けに作られているので大きいサイズが売られていることも多い。
私は、このサイズの合わないロードバイク(風)の自転車を購入し、半年程度無理やり乗り続けることになる…
が、その前に気になる点が出てきたのだ。それが…
ブレーキが重い!そんで、キーキーうるさい!
私が買った自転車に付いていたブレーキは、ノーブランド品の「機械式ディスクブレーキ」。普通、ロードバイクに使用されるディスクブレーキは「油圧式」が主流だ。「機械式」は価格が安い反面、ブレーキの引きがかなり重いのが特徴だ。
さらに、ノーブランド品の廉価パーツが使用されているこのブレーキでは、ブレーキをかけた際に「キキキィィィィ!!」と爆音が鳴り響く。
さらに驚くべきことに、ブレーキを握っていなくてもブレーキがこすれ、車輪を回す度に「シュッ,シュッ,シュッ,」と擦れているのだ。。。
なんとも気持ち悪い。(※ちなみにこの現象はローターが湾曲していることと、キャリパーの可動域の少なさ、調整不足が原因である)
それでも頑張っていろいろ弄くりながら乗っていたのだが…
ハンドルと前輪がガタガタするんだけど???
最終章に近づいてきた。乗り始めて4,5ヶ月乗り続けた頃、何をしたわけでもなく、ハンドルや前輪がガタガタするようになった。
後に発覚することだが、これは「コラム」と呼ばれる、フレームとフォークの接続部分に仕込まれているベアリングの劣化と緩みが原因だった。
ここまで来ると不安で。短距離乗ることもままならないので、自力で分解してみることに。すると…
ベアリング受けが潰れとるwww
ベアリングの種類には、主に「カップアンドコーン」「シールドベアリング」が有名ですね。
この自転車に使われていたのはそのどちらにも分類できないような…。良く分からん、へなちょこなベアリングでした。※今思うとどちらかと言えばシールドっぽかったかも…
そして、購入してからわずか数ヶ月しか経っていないにもかかわらず、このベアリングを挟み込んでいる部分の金属がボロボロに湾曲していたのです。弱い!!
その後何度か組み直したり、ベアリングを掃除したりしてみたが、曲がった金属パーツにベアリングを入れても上手く機能するはずもなく。
ベアリングを交換するにしても、当時はド素人。さらに、一般的なロードバイク用のパーツなど使っているはずもないので、どのベアリングを買えばいいのかも謎だった。
そして、2万数千円で買った自転車は短い生涯を遂げたのだった…。
最低限のロードバイクの条件
ここからは、可能な限り安い価格で「ロードバイク」と呼べる自転車を購入する時に検討したいことについて紹介します。今、ネットで2万円程度のロードバイクを検討していたけど、もうちょっとお金貯めようかな…と思えるあなたの参考になれば幸いです。
では、最低限「ロードバイク」と呼ぶための条件をお伝えします。
ロードバイクブランドであること
まずは製造者です。2万円で買えるロードバイク風の自転車は、中国のノーブランド品でしょう。
ロードバイクと呼ぶためには、「ロードバイクメーカー」として認知されているブランドの自転車を買う必要があります。
特に有名で、かつ低価格のロードバイクを製造している一流メーカーをいくつか紹介します。それが、GIANT(ジャイアント)、MERIDA(メリダ)、FELT(フェルト) です。他にもあるんだけど、間違いがなく、街の自転車屋さんやネットショップでも入手しやすいのがこの3つだと思います。
楽天市場でもいくつか出品されていますので、以上で挙げたブランドを是非検索してみてください。(お値打ちな中古品もあったりします)
ロードバイクのブランドについて詳しくは以下の記事も是非!
ロードバイク用のパーツを使っていること
簡単に言うと、SHIMANO(シマノ)のSORA(ソラ)またはCLARIS(クラリス)というグレードのパーツを使用しているバイクを選びましょう。これがロードバイク用のパーツで最低限のグレードのパーツです。
本物のしっかりしたロードバイクには、ロードバイク専用のパーツが使われているのをご存知ですか。ロードバイクに使用されているパーツは、ママチャリとも、マウンテンバイクとも違うんです。
まず、ギアの段数が多いです。前と後ろに変速機が付いていて、前は2段、後ろはグレードによって8段から11段まで。
マウンテンバイク用のパーツにも沢山のギアが付いているので、ロードバイク用のパーツだとよく間違われます。シマノのTourney(ターニー)というグレードは、マウンテンバイク用の安っぽいパーツと考えてください。
2万円程のロードバイク(風自転車)は8割がたTourneyが付いています。よければ商品説明を見てみてください。
さて、ロードバイク用のパーツは、マウンテン用のパーツより繊細な造りになっていて、より快適な変速ができます。また、重量が軽くパーツの精度が高いのが特徴です。精度が高いので、その分価格も上がります。
※もちろん、マウンテンバイク用のパーツにも高級なグレードもありますよ。
簡単に言えば、SHIMANO(シマノ)のSORA(ソラ)またはCLARIS(クラリス)というグレードのパーツを使用しているロードバイクを選びましょう。
ロードバイク用のパーツとして最低限グレードとされているのがCLARIS(クラリス)、その1つ上のグレードが初級者向けのパーツ、SORA(ソラ)となります。
ロードバイク用パーツ(コンポーネント)について詳しくは、下の記事も合わせて必読です!
例えばこのバイクはどうでしょう?
「ロードバイク」と呼べるロードバイクの中で、安心して乗れる最低価格の商品をいくつか紹介します。
しっかりしたロードバイクの価格はやはり高価になります。しかし、快適なサイクリングや、長距離の移動をしたい場合は、是非これ以上のグレードのロードバイクを選ぶことが後の満足度に繋がります。
GIANT(ジャイアント) CONTEND 2

GIANT(ジャイアント) 2020モデル CONTEND 2 [GIANT公式]
84,000円
世界最大のロードバイクメーカー、GIANT(ジャイアント)のロードバイクです。街中で見ることが最も多い人気ブランドの1つです。
台湾に巨大な自社工場を沢山持っているので、品質が高い(簡単に言えば軽くてよく進む快適な自転車)なのに驚きのプライスで販売できるのが特徴です。
高いものを見ると、100万円以上する高級な自転車も製造しているブランドですが、最も安いロードバイクは約8~9万円で購入できます。
安価なロードバイクと言えども、全く手抜きのない造りが特徴です。
MERIDA(メリダ) RIDE80

メリダ RIDE80 2019 MERIDA ライド80[FALCON BIKE]
74,167円
MERIDA(メリダ)も、ジャイアントと同じく台湾発祥のロードバイクメーカーです。同じく、巨大工場を沢山所有しており、高品質なロードバイクを大量に生産して、お手軽な価格で販売してくれます。
最も価格が安いロードバイクが「ライド80」です。価格は8万円程ですが、見た目も非常に格好良く、ロードバイクとして誇れる自転車です。
街の自転車専門店でも多く取り扱われているので、安心して購入しやすいのではないでしょうか。
FELT(フェルト) FR60

FELT (フェルト) 2020モデル FR60[クラウンギアーズ]
88,815円
FELT(フェルト)は米国の自転車メーカーです。今回紹介する3つのブランドの中では一番有名ではないかもしれませんが、間違いなく一流の技術を持ったブランドです。
国内でも海外でも、ロードバイクに乗っている多くの人が知っている名前で、カーボンファイバーを用いたエアロロードバイクの製造技術に秀でているとされています。
最も安いバイクだと8~9万円で購入することができ、上位の高級モデルで培われた技術が、このモデルにも活かされています。
まとめ
ネットにある2万円程のロードバイクは、おすすめしない。
ロードバイクと呼ぶためには、ロードバイクメーカーとして知られているブランドで、ロードバイク用のパーツを使っている必要がある。
ここまで、ネットで買える安いロードバイク(風自転車)について色々と検討してきましたが、いかがでしたでしょうか。
よければ、あなたの経験や意見を下のコメントで教えてください。
最後に、おすすめの記事を貼っておきますので、合わせてご覧になってみてください!
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