ロードバイクのバルブが長すぎる?適切なバルブ長の選び方

メンテナンス

私のロードバイク、バルブ長長すぎかなぁ…?

近年、巷でも多くのロードレーサー(ロードバイク)を見かけるようになった。自転車好きとしては嬉しい光景だ。そして、信号待ちの際などに知らないお兄さん方のロードバイクを眺めていて、1つ気になる点があった。それは、「バルブ長」。つまりフレンチバルブの長さだ。

お店で売られているチューブラータイヤやインナーチューブには、1つのモデルでも複数のバルブの長さが存在する。メーカーにより異なるが、代表的な長さは36mm、48mm、51mm、長いものでは80mmという製品も。

そして、色々なロードバイクやクロスバイクを見ていると、人それぞれホイールの内側に飛び出しているバルブの長さが異なるのだ。そこで、最適な長さはどれくらいなのだろうか…?という疑問が浮上することとなる。

この記事では、ロードバイクの適切なバルブ長について調査し、バルブが長すぎたり短すぎるとどうなってしまうのか?についてもお伝えしていく。

バルブ長の失敗例から学ぶ

まずは、Twitter上の自転車乗り達(通称:チャリクラ)のバルブ長を観察してみる。バルブ長が長すぎた、もしくは短すぎたことを嘆く呟きを沢山発見したので、ご覧いただきたい。

50mmハイトのディープリムに、60mmと55mmのバルブを使用した画像。投稿者さんは「空気入れるのも問題なし」と言っているが右側(55mm)のバルブ長では空気を入れる際にギリギリだろう。ホイールによって飛び出すバルブ長が変わってくるため、余裕を見て60mmを選ぶ方が良いかもしれない。

バルブが少し長すぎた例。これくらいならさほど問題は起きないが…バルブが飛び出しすぎるとかなり目立つ。チューブを購入する際は適切なバルブ長をあらかじめ確認しておきたいところ。

バルブ長を間違えて購入してしまい、「短くて足りない!」という事例も多く見かけた。

あえてギリギリの長さのバルブ長を選択する人もいるようだ。オーナーさん曰く、”この長さでも空気を入れられる”らしい。被せ式のバルブエクステンダーを使用しているのだろうか。バルブの飛び出しが短いことによるメリットについても後述する。

60mm〜80mmくらいのバルブだろうか?確かに、これはちょっと突っ込みたくなる。あまりにも長すぎると、空気抵抗や片側の重量が増加し、ホイールのバランスにも影響を与える可能性があるとのことだ。

バルブが長すぎるのも良くないが、短すぎると、そもそも空気が入れられないのでどうしようもない。特に、ディープリムホイールに使用する際は短過ぎに注意だ。投稿者の四平さん(お知り合いのブロガーさん)はバルブエクステンダー(バルブ長を延長するパーツ)を利用するとこのこと。

各社から様々なバルブエクステンダーが販売されているので、好みのチューブのバルブ長が足りない場合は、このように組み合わせて使うのも選択肢の1つだ。

○バルブエクステンダーについてはこちら
○四平さんのブログはこちら

オーノー!」(ジョセフ・ジョースター風)

これでは、通常のポンプでは空気を入れるのが難しそうだ…。20mmくらいのバルブエクステンダーを取り付けることで対応できそう。

これは、結構”あるある”の失敗のようだ。予備用チューブの場合、バルブ長は長めのものを所持しておくと安心かもしれない。

バルブが長い分には普通に空気は入るし、走行も可能なため、暫くそのままにしておくケースも多い。しかし、やはり見た目のバランスが悪いのと、ホイールの重量バランスへの影響を考えると…早めに対処しておきたい。

60mmハイトのディープリムホイールに60mmのバルブを使用するとこうなるようだ。この場合、80mm程度のバルブ長のものを選択するか、バルブエクステンダーを使用すれば最適化できる。

ホイールによって飛び出す部分の長さが異なるため、一概に○○mmには〇〇mmのバルブ長、と言えないのが残念だが、経験的にはリムハイト+20mm〜30mmのバルブ長が最適に思える。

やはり、バルブ長が長すぎて見た目を残念に思っている人は多いようだ。多少なら走行に影響は無いだろうが…。見た目に関しても、これはこれでお洒落?さほど気にしすぎる必要はないが、一度気になったらずっと気になってしまうのがロード乗りのサガというものだろうか。

最適なバルブ長はどれくらい?

先程のツイートに対するコメントでも出てきたが、経験的にいうと「ホイールのリムハイト+20〜30mm」のバルブ長が最適だと考えている。ただし、前述の通りホイールから飛び出す部分の長さはホイールの形状によって異なる場合がある。ギリギリの長さを狙うならハイト+20mm。安心感を得るなら、余裕を持ってハイト+30mm前後を選んでも良いだろう。

シャマルミレのリムハイトは、F/24mm、R/28mm。チューブは恐らく、一般的な42mm程度のバルブ長だろうか。この組み合わせならなんとか空気が入れられそうだが、28mmハイトのリアはギリギリ感が否めない。この場合は48mm程度のバルブ長のチューブを選んでも良いかもしれない。

まとめ

バルブの長さが長いもしくは短いことは、文字通り一長一短だ。まとめとして、これらのメリット・デメリットを紹介する。

バルブ長が長すぎるメリット・デメリット

・予備として持っていると大抵のホイールに使用できる
→出先でディープリムユーザーがパンクした際に活用できる

・見た目がダサい(人により価値観は異なるが…)
・重量と空気抵抗が微増する
・あまりに長すぎるとホイールバランスに影響する

バルブ長が短かすぎるメリット・デメリット

・重量と空気抵抗がわずかに減る

・あまりに短すぎると空気が入れられない
・別途バルブエクステンダーが必要になる

最適なバルブ長の選び方

ホイールのリムハイト+20〜30mm」のバルブ長を基準に選ぶのがおすすめだ。やはり、最適な長さのバルブを選ぶに越したことはない。また、ディープリムホイールを使用している人などで希望の長さのバルブ長が確保できない場合は、バルブエクステンダーと組み合わせることで最適な長さを実現してみよう。

バルブエクステンダーには「かぶせ式」や「中継ぎ式」などの種類があり、購入前にはこちらの記事から情報をチェックしておくと失敗が減らせる。

以上、ロードバイクにおけるタイヤ/チューブのバルブ長について色々考察してきたがいかがだっただろうか。筆者自身もまだまだ勉強の身だ。疑問点やアドバイスなどがあれば、最下部の「コメント欄」へ是非意見を書き残していって欲しい。

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この記事を書いた人
ロード乗りデザイナーSho[ショウ]

自転車大好きなデザイナーで、自転車情報INNERTOPの運営者。平日の昼から千葉県内をロードバイクで爆走していることで知られる。

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